
食物アレルギーは、特定の食品を摂取することで体に異常な反応が起こる症状。本記事では、食物アレルギーの基本的な仕組みと主な症状を、わかりやすく解説します。
食物アレルギーとは?
食物アレルギーは、本来は無害な食品成分を、免疫システムが誤って「敵」と認識し、過剰反応を起こす症状です。体内で「IgE抗体」という物質が作られ、アレルゲンと結合してヒスタミンなどの化学物質を放出。これが症状の原因です。
食物アレルギーの仕組み:免疫システムの誤作動
免疫システムは本来、ウイルスや細菌など外敵を排除する防御機構。食物のタンパク質を「敵」と誤認すると、過剰な防御反応が起き、皮膚・呼吸器・消化器・循環器に症状を引き起こします。
主な症状:4つのカテゴリー
第一に皮膚症状:蕁麻疹、湿疹、かゆみ、赤み、まぶたや唇の腫れ。第二に呼吸器症状:咳、ぜんそく、息苦しさ、喉の腫れ、声枯れ。第三に消化器症状:嘔吐、下痢、腹痛、口の中のかゆみ。第四に循環器症状(重症時):血圧低下、めまい、意識低下、ショック状態。重症な場合は「アナフィラキシー」として命の危険につながります。
主な原因食品:特定原材料9品目
消費者庁の表示義務がある「特定原材料」は、卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに・くるみ・カシューナッツの9品目です(2026年4月の食品表示基準改正でカシューナッツが特定原材料に追加されました)。これらは食品表示法で必ず表示しなければならず、食物アレルギーの原因として最も多いとされています。詳しくは消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」をご確認ください。
専門家・公的機関の見解と海外の最新動向
消費者庁は2026年4月、木の実類アレルギーの増加を踏まえてカシューナッツを特定原材料(表示義務)に、ピスタチオを特定原材料に準ずるもの(推奨表示)に追加する食品表示基準の改正を実施しました。同庁の実態調査では、木の実類アレルギーの症例数比率が鶏卵に迫る水準まで増加していることが背景として挙げられています(出典:消費者庁)。詳しくはカシューナッツ・ピスタチオのアレルギー表示義務化に関する記事もご覧ください。
海外に目を向けると、米国では2021年成立の「FASTER法」により、ごまが2023年1月から乳・卵・小麦・落花生・木の実・魚・甲殻類・大豆と並ぶ「9大アレルゲン」の一つとして表示義務の対象になりました(出典:米国食品医薬品局〈FDA〉)。日本では「ごま」は現在も特定原材料に準ずるもの(推奨表示)にとどまっており、義務表示ではありません。表示制度の位置づけは日米で異なるため、輸入食品を利用する際などは特に原材料表示を注意深く確認することが大切です。
また2026年には、米国の食物アレルギー研究・啓発団体FARE(Food Allergy Research and Education)の患者レジストリ分析(Journal of Allergy and Clinical Immunology系学術誌掲載)で、ごま以外の種子(ひまわり・からし・亜麻仁など)やハーブ・スパイス(にんにく・こしょう・シナモンなど)のアレルギーについて、低所得世帯や非白人層で報告割合が高いという健康格差が指摘されました。日本ではこうした種子・香辛料アレルギーに関する全国規模の患者データは限られています。詳しくはこちらの記事「ごま以外の種子・香辛料アレルギー」で解説しています。
発症年齢と寛解の可能性
子どもの食物アレルギーは離乳食期に発症することが多く、卵・乳・小麦は成長とともに食べられるようになる「寛解」の可能性が高い。一方、そば・ピーナッツ・甲殻類は寛解しにくいとされています。
診断と治療の基本
診断はアレルギー専門医による問診、血液検査(特異的IgE抗体)、皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験で総合的に判定。治療は基本的に「原因食物の除去」+「症状時の対応」+「経口免疫療法(適応がある場合)」です。
FAQ
Q. 食物アレルギーは遺伝しますか?
A. 遺伝的素因はありますが、必ず遺伝するわけではありません。環境要因も関与します。
Q. 食物アレルギーと食物不耐性は同じですか?
A. 違います。食物アレルギーは免疫反応が原因、食物不耐性は消化機能等が原因。診断は専門医に。
※本記事は当事者・家族目線でまとめた情報であり、医学的診断・治療方針については必ずアレルギー専門医にご相談ください。
食物アレルギー情報の信頼できる情報源
厚生労働省、消費者庁、日本小児アレルギー学会、アレルギー支援ネットワーク、認定NPO法人アレルギーを考える母の会など、信頼できる公的情報源を定期的にチェックする習慣をつけましょう。本サイトでも公的情報を踏まえた記事更新を続けています。
緊急時(アナフィラキシー)への備え
アナフィラキシーなど緊急時の症状の見分け方とエピペン等の対応は、専門にまとめたアナフィラキシーショックとは?症状の見分け方と緊急対応で詳しく解説しています。いざというときのためにあわせてご確認ください。
あわせて読みたい関連記事
※ 本記事には楽天アフィリエイトリンクが含まれます。
—
⚠️ 免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としています。食物アレルギーの診断・治療については、必ず医師・専門家にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、最新の医療情報とは異なる場合があります。
本記事のご利用にあたって(医療免責)
本記事は食物アレルギーに関する一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な診断・治療・助言に代わるものではありません。症状や検査・治療方針については自己判断せず、必ずアレルギー専門医などの医療機関にご相談ください。呼吸困難・ぐったりする・繰り返す嘔吐などアナフィラキシーが疑われる場合は、ただちに救急要請(119番)してください。本記事は公的機関・学会等の公開情報をもとに作成していますが、最新の制度・診療指針は改定される場合があります。
参考・出典
この記事を書いた人
谷口 正純(食品アレルギー情報サイト運営者)。自身がそばアレルギーの当事者であり、子どもの卵・乳アレルギーの診断をきっかけに2015年頃から食物アレルギーの情報収集を続ける当事者・保護者です。アレルギー専門医への10年以上の通院、除去食・代替食の管理、保育園・学校の給食対応など、日常生活の実体験にもとづき、消費者庁・厚生労働省・日本アレルギー学会・国立成育医療研究センター等の一次情報を参照して記事を作成しています。本サイトは医療情報サイトではなく、診断・治療の判断は必ずアレルギー専門医にご相談ください。詳しくは運営者情報をご覧ください。
