年末年始は、おせちやお雑煮、年越しそばなど、ふだん食べ慣れない料理が食卓に並ぶ季節です。市販のおせちや親戚宅での食事はアレルゲンが分かりにくく、食物アレルギーのある方やその家族にとっては注意が必要な場面が増えます。この記事では、おせち・お雑煮に潜みやすいアレルゲンの確認方法と、帰省先で親戚に上手に伝えるコツを整理します。
おせち料理に潜みやすいアレルゲン
おせちは多くの品目が少しずつ詰め合わされているため、アレルゲンが混在しやすい料理です。代表的な品目と注意したいアレルゲンは次のとおりです。
- 伊達巻・厚焼き卵・栗きんとん(一部)…卵
- えびの甘煮・えびフライ…甲殻類(えび・かに(甲殻類)アレルギーの対策はこちら)
- かまぼこ・伊達巻・練り物…卵白・小麦・大豆を含むことがある
- 黒豆・煮豆・きんとんのつなぎ…大豆
- 田作り・昆布巻・だし…魚(かつおだし・煮干し)
- ごま和え・ごまだれ…ごま
複数のアレルゲンを持つ場合は、品目ごとに一つずつ確認するのが確実です。管理の考え方は複数食物アレルギー・交差反応の完全対策もあわせてご覧ください。
市販おせちを選ぶときの表示確認
市販のおせちを利用する場合は、購入前に原材料表示とアレルゲン情報を確認します。「アレルギー対応」と書かれていても基準は商品ごとに異なり、同じ製造ラインで特定原材料を扱っている場合のコンタミネーション(意図しない混入)に関する注意書きが記載されていることもあります。表示の読み方の基本は消費者庁の食品表示基準に基づいています。判断に迷う表示は製造元に問い合わせましょう。卵アレルギーの詳しい注意点は卵アレルギーの基礎知識を参考にしてください。
お雑煮の注意点(だし・餅・具材)
お雑煮は地域によって具材やだしが大きく異なります。だしはかつお・煮干しなど魚由来が多く、しょうゆには小麦・大豆が含まれます。具材のかまぼこや鶏肉、青菜、根菜のほか、白みそ仕立て・すまし仕立てなど味付けもさまざまです。餅そのものは通常もち米ですが、味付けや添える具材にアレルゲンが含まれることがあります。魚介不使用のだしに替えたい場合はアレルギー対応の和食レシピの考え方が役立ちます。
年越しそばとそばアレルギー
年越しそばはそば粉を使うため、そばアレルギーがある場合は避け、うどんや米粉麺などで代替します。そばは微量でも重い症状を起こすことがあり、同じ釜でゆでた麺へのコンタミネーションにも注意が必要です。詳しくはそばアレルギーの症状と対策をご覧ください。
帰省先・親戚宅で伝えるコツ
親戚宅での食事は原材料が分かりにくいため、事前の共有が大切です。訪問前に電話やメッセージで、避けたいアレルゲン名と具体的な食品を伝えておくと、相手も準備しやすくなります。当日はアレルギーカード(アレルゲン名と緊急時の対応を書いた携帯カード)を用意しておくと確実です。手作り料理はどうしても成分が把握しづらいため、必要に応じて本人用の食事を持参する方法も検討しましょう。旅行・帰省時の食事管理は旅行・帰省時のアレルギー食管理、年末年始の甲殻類対策はカニアレルギーの対策も参考になります。
もしもの誤食に備える
誤食を完全に防ぐのは難しいため、備えも大切です。医師からアドレナリン自己注射薬(エピペン等)を処方されている場合は携帯し、家族にも使い方と保管場所を共有しておきます。症状が出たときの連絡先や受診先をあらかじめ決めておくと、慌てずに対応できます。症状・治療の判断は自己判断で行わず、必ず医師にご相談ください。
手作り・市販で使えるアレルギー対応食材
アレルギー対応のおせちや食材は通販でも探せます。原材料表示を確認しながら、家族の除去内容に合うものを選びましょう。特別な日のスイーツはアレルギー対応のクリスマスケーキ・スイーツ通販まとめもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. 市販のおせちは「アレルギー対応」と書いてあれば安心ですか?
A. 基準は商品ごとに異なります。特定原材料等の表示とコンタミネーションの注意書きを確認し、不明な点は製造元に問い合わせてください。
Q. おせちで特に注意したいアレルゲンは?
A. 卵(伊達巻など)、甲殻類(えび)、卵白・小麦(練り物)、大豆(黒豆)、魚(だし・田作り)が代表的です。
Q. 帰省先の親戚にどう伝えればよいですか?
A. 事前に具体的なアレルゲン名を伝え、当日はアレルギーカードを携帯します。必要に応じて本人用の食事を持参しましょう。
Q. 年越しそばは食べられませんか?
A. そばアレルギーがある場合はうどんや米粉麺で代替します。コンタミネーションにも注意し、判断は医師に相談してください。
出典・参考
本記事は以下の公的機関・学会等が公表する一次情報を参考に作成しています。制度や表示ルールは改定されることがあるため、最新情報は各機関の公式情報をご確認ください。
- 消費者庁「食品表示基準について(アレルゲンを含む食品に関する表示)」(2025年)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/ - 厚生労働科学研究班「食物アレルギーの診療の手引き2023」
https://www.foodallergy.jp/ - 日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2021」
https://www.jspaci.jp/ - 国立成育医療研究センター アレルギーセンター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/allergy/
本記事は2026年9月時点の情報です。症状・治療の判断は自己判断で行わず、必ず医師にご相談ください。
⚠️ 免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としています。食物アレルギーの診断・治療については、必ず医師・専門家にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、最新の医療情報とは異なる場合があります。
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この記事を書いた人
谷口 正純(食品アレルギー情報サイト運営者)。自身がそばアレルギーの当事者であり、子どもの卵・乳アレルギーの診断をきっかけに2015年頃から食物アレルギーの情報収集を続ける当事者・保護者です。アレルギー専門医への10年以上の通院、除去食・代替食の管理、保育園・学校の給食対応など、日常生活の実体験にもとづき、消費者庁・厚生労働省・日本アレルギー学会・国立成育医療研究センター等の一次情報を参照して記事を作成しています。本サイトは医療情報サイトではなく、診断・治療の判断は必ずアレルギー専門医にご相談ください。詳しくは運営者情報をご覧ください。

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