栗や甘栗を食べて、口の中がかゆくなったり、じんましんが出たりしたことはありませんか。栗は、くるみやカシューナッツのような「木の実類」の表示とは別の経路で、アレルギー反応が起こることがあります。この記事では、公的機関の資料をもとに、栗とラテックス-フルーツ症候群の関係と、秋の栗食品で確認したいことを整理します。
この記事の要点:栗では、天然ゴム(ラテックス)のアレルギーに関連した反応が知られています。症状が出たときの原因の判断は、自己判断せずアレルギー専門医に相談してください。
栗は「くるみ」「カシューナッツ」と同じ表示ではない
消費者庁は、容器包装された加工食品について、特定原材料を含む旨の表示を義務付けています。2023年3月9日にくるみが、2026年4月1日にカシューナッツが特定原材料に追加されました(消費者庁の同ページの「お知らせ」欄による)。一方、消費者庁の資料(令和8年5月)にある表示の対象品目(特定原材料9品目+表示を推奨する「準ずるもの」20品目)に、栗は含まれていません。
そのため、栗が心配な場合は、「木の実類」という表示の有無だけでなく、原材料名の欄に「栗」「くり」と書かれていないかを直接確認することが大切です。
ラテックス-フルーツ症候群とは
ラテックス-フルーツ症候群は、天然ゴム(ラテックス)のアレルギーがある人が、特定の果物などを食べたときに、アレルギー反応を起こすことがある状態です。2017年3月31日付の厚生労働省などの資料は、栗、バナナ、アボカド、キウイフルーツについて、発症リスクが高く、重症化することがあるため注意が必要としています。
日本小児アレルギー学会誌(2018年)に掲載されたガイドライン解説の要旨でも、交差リスクの高い食品としてアボカド、クリ、バナナ、キウイフルーツが挙げられ、ラテックスアレルギーの患者さんの30〜50%に発症するとされています。
厚生労働省などの資料には、栗を食べて口の中のかゆみ、じんましん、腹痛、アナフィラキシーを起こしたことがある場合は、ラテックスアレルギーが疑われるとの解説も載っています。ゴム手袋や風船でかゆみが出たことがある方は、主治医にその旨を伝えてください。
秋の栗食品で確認したいこと
- 甘栗・栗ごはん・栗おこわ:栗そのものが主役です。原材料の栗の有無を確認します。
- 栗きんとん・栗の和菓子:栗のほかに、菓子の材料(卵・乳・小麦など)が使われていることもあります。
- モンブランなどの洋菓子:栗のほかに、乳・卵・小麦などが使われていることが多いので、全体の原材料表示を確認します。
- 量り売り・店頭の菓子:容器包装がない場合は表示がないことがあるため、店員さんに原材料を確認します。
症状が出たら
栗を食べて症状が出た場合は、原因がラテックス-フルーツ症候群なのか、ほかの食物アレルギーなのかを、自己判断で決めないでください。食べた量や症状の出方をメモして、アレルギー専門医を受診しましょう。誤食で重い反応を起こすおそれがある方には、医師がアドレナリン自己注射液を処方する場合があり、国立成育医療研究センターも、使うべきときに速やかに使うことが重要だと説明しています。使い方は主治医の指示に従ってください。
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※本記事は2026年11月時点の情報です。症状・検査・治療・食事制限の判断は、必ずアレルギー専門医にご相談ください。
出典・参考
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 消費者庁食品表示課「食物アレルギー表示制度における消費者庁の取組」(第20回アレルギー疾患対策推進協議会 資料3-2、令和8年5月):https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001704059.pdf
- 厚生労働省・消費者庁・経済産業省「天然ゴム製品の使用による皮膚障害は、ラテックスアレルギーの可能性があります。アレルギー専門医に相談しましょう。」(2017年3月31日):https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000853372.pdf
- 中島陽一・大矢幸弘「第11-2章 口腔アレルギー症候群(OAS)/第11-3章 ラテックス–フルーツ症候群」(食物アレルギー診療ガイドライン2016 解説)日本小児アレルギー学会誌32巻2号(2018年):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci/32/2/32_277/_article/-char/ja
- 国立成育医療研究センター「食物アレルギー」:https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/allergy/food_allergy.html
この記事を書いた人
谷口 正純(食品アレルギー情報サイト運営者)。自身がそばアレルギーの当事者であり、子どもの卵・乳アレルギーの診断をきっかけに2015年頃から食物アレルギーの情報収集を続ける当事者・保護者です。アレルギー専門医への10年以上の通院、除去食・代替食の管理、保育園・学校の給食対応など、日常生活の実体験にもとづき、消費者庁・厚生労働省・日本アレルギー学会・国立成育医療研究センター等の一次情報を参照して記事を作成しています。本サイトは医療情報サイトではなく、診断・治療の判断は必ずアレルギー専門医にご相談ください。詳しくは運営者情報をご覧ください。

