【2026年最新】乳児期からのピーナッツアレルギー治療研究:経皮免疫療法パッチの新試験と重症例向け家庭内OIT、日本と米国の比較

📋 この記事で取り上げるアレルゲン
🥜 主な対象:ピーナッツ(落花生)アレルギー
⚠️ 記事内で紹介する治療法には研究段階のもの・専門の医療機関での実施が前提のものが含まれます。自己判断での実施は避け、必ずかかりつけの医師・アレルギー専門医にご相談ください。

目次

はじめに:食物アレルギー治療は「予防」と「治療」の両面で進展中

食物アレルギーの研究は近年、大きく分けて二つの方向で進んでいます。一つは乳児期からアレルゲンに慣れさせて発症・重症化を防ぐ「予防」的アプローチ、もう一つはすでに診断された人の症状を段階的に軽減する「治療(免疫療法)」です。2026年に入り、米国では乳児向けの新しい治験が始まり、日本では重症例を対象にした家庭内治療の研究成果が発表されるなど、両国でそれぞれ異なる切り口の進展がありました。

米国の動き:生後6〜12ヶ月の乳児を対象にした「ピーナッツパッチ」新試験

米DBV Technologies社は2026年6月、ピーナッツアレルギーを持つ生後6〜12ヶ月の乳児を対象とした第2相試験「THRIVE」の最初の参加者スクリーニングを実施したと発表しました。この試験で使われる「Viaskin Peanut」は、ピーナッツタンパクを含むパッチを皮膚に貼ることでアレルゲンに少しずつ触れさせる「経皮免疫療法(EPIT)」の一種です。参加した乳児は36ヶ月間、パッチを毎日貼りながらピーナッツを除去した食生活を継続し、36ヶ月時点で食物経口負荷試験を行って、その後の摂取方針を決めるという設計になっています。開発の背景には、乳児期の早い段階に介入するほどアレルギーの経過に良い影響を与えられる可能性があるとする、早期ピーナッツ摂取に関する先行研究(LEAP試験など)の知見があります。

すでに承認段階にある「歩き始めの年齢」向けパッチ治療との違い

実は同じ「ピーナッツパッチ」でも、1〜3歳の歩き始めの年齢の幼児を対象にした第3相試験はすでに実施されており、NEJM(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)に結果が報告されています。ピーナッツの誘発閾値が300mg以下の幼児を対象に、パッチを12ヶ月間毎日貼るグループとプラセボ(偽パッチ)グループを比較したところ、パッチ群の方が脱感作(少量のピーナッツに耐えられるようになること)の効果が高いという結果でした。今回のTHRIVE試験は、この幼児向けの知見を、より低年齢の6〜12ヶ月の乳児に広げられるかを検証するものという位置づけです。

日本の動き:重症ナッツアレルギーに対する「超低用量・緩徐増量」の家庭内OIT

一方、国立成育医療研究センターは2026年5月、アナフィラキシーの既往がある重症のナッツアレルギー例であっても、ごく少量から時間をかけて増量していく経口免疫療法(OIT)を医師の管理のもとで実施することで、家庭での日常生活の中で安全に治療を進められる可能性を示す研究結果を発表しました。これは「治る」ことを目標にできる選択肢として、重症例に対する新しい戦略を示すものと位置づけられています。米国のパッチ研究が乳児期からの「予防」に重点を置くのに対し、日本のこの研究はすでに重い症状が出ている患者への「治療」の安全な進め方に焦点を当てている点が対照的です。

日本と米国、アプローチの違い

  • 対象年齢・時期:米国THRIVE試験は生後6〜12ヶ月の発症早期/日本のNCCHD研究はすでに重症化した既存患者が中心
  • 治療手段:米国は経皮(パッチ)免疫療法が先行/日本は経口免疫療法(OIT)の低用量・緩徐法が中心
  • 実用化の状況:ピーナッツパッチは日本国内では未承認・未流通で、現時点で一般の医療機関では受けられません。OITも保険適用外・専門施設での実施が基本です

家庭で気をつけたいこと

ここで紹介した治療法は、いずれも専門の医療機関・治験実施施設での管理下を前提としたものです。特に免疫療法はアナフィラキシーのリスクを伴うため、家庭で自己流に「少しずつ食べさせる」といった対応を行うことは危険です。気になる情報がある場合は、必ずアレルギー専門医に相談した上で、正式な治験や専門外来を通じて検討してください。

まとめ

2026年は、乳児期の予防的介入(米国のピーナッツパッチ治験)と、重症例への治療の安全な進め方(日本の低用量OIT研究)という、異なる角度からの研究がそれぞれ動いた年です。どちらもまだ発展途上の分野であり、今後の追跡データが待たれます。最新情報は本記事のような紹介記事だけでなく、必ず主治医や専門医療機関を通じてご確認ください。

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📖 出典

・DBV Technologies「THRIVE Phase 2 Study」発表(2026年6月、GlobeNewswire)
・NEJM日本語版「ピーナッツアレルギーの歩行開始期幼児に対する経皮免疫療法の第3相試験」
・国立成育医療研究センター プレスリリース(2026年5月11日)「ナッツアレルギー重症例も『治る』を目標にできる」

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。食物アレルギーの診断・治療・除去食の実施については、必ず医師・専門医にご相談ください。

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