「アレルギーっ子の親って、こんなに孤独なの?」――娘が卵・乳・小麦の三大アレルゲンと診断された当初、私は誰にも本音を言えずに泣いていました。でも、SNSで同じ境遇のお母さんと出会い、地域のアレルギーっ子サークルに参加するようになって、世界が変わりました。本記事では、ひとりで抱え込んでいた私が「仲間」とつながることで救われた話を、リアルなエピソードとともにお届けします。
診断直後の孤独感:誰にも相談できなかった日々
娘の診断結果を聞いた帰り道、車の中で泣きました。家族は「神経質すぎる」と言うし、ママ友は「うちの子は何でも食べる」と無邪気に話す。誰もこの不安を分かってくれない――そう感じていた時期がありました。スーパーで原材料表示を読み込みながら買い物していると、後ろから「早くしてよ」と舌打ちされたこともあります。「私が選り好みしているわけじゃないのに」と、レジ袋を抱えて駐車場で泣き崩れた日もありました。当時の自分に何か言葉をかけてあげるとしたら「ちゃんと相談できる仲間が、必ずどこかにいるから探しに行こう」と伝えたい、と今は思います。
SNSとの出会い:「同じ気持ちの人がいる」という安心感
転機は、SNSで偶然見かけた「#アレルギーっ子ママ」のハッシュタグでした。何気なく覗いてみると、「マヨネーズの代替どうしてる?」「保育園との連携でこんな失敗した」「夜中に湿疹が出て病院へ走った話」――そんな投稿が連日流れてくるのです。「同じ気持ちの人がこんなにいる」と気づいた瞬間、肩の力が抜けました。私自身もおそるおそる初投稿。すると、見知らぬお母さんから「うちも娘が同じ年で同じアレルゲンです。情報交換しませんか?」とDMが届きました。それが、現在まで続く「アレルギー仲間」とのご縁の始まりでした。
地域コミュニティの力:オフラインでの出会い
SNSで知り合った数人と意気投合し、地元の児童館に「アレルギーっ子の集い」を月1回開催することにしました。最初は3組5名でスタート。集まれば子どもたちは大喜び、お母さん同士は離乳食レシピを交換し、お父さんも「うちの会社で職場理解を広げる工夫」を共有してくれます。半年後には20組を超える参加者が集まり、地元の保健センターも協力してくださるように。「ひとりじゃない」と心から実感できる場ができたのです。実際に顔を合わせて子ども同士が遊ぶ姿を見るたびに、画面越しでは伝わらない安心感が確かに育っていくのを感じます。
仲間がもたらしてくれた3つの恩恵
仲間と繋がって得られたものは大きく3つ。第一に「具体的な情報の宝庫」。「○○病院の負荷試験対応がよかった」「△△ブランドのパンは原材料がクリーン」など、ネット記事には載らない実体験ベースの情報が日々共有されます。第二に「感情の受け皿」。泣いている時間に「今日大変だったね」と返してくれる存在がいる。家族にも言えない弱音を吐ける場があるのは、想像以上に大切でした。第三に「子どもへの良い影響」。同じアレルギーの友達がいると分かるだけで、子ども自身が「自分だけじゃない」と前向きになれる。これは仲間づくり以上の、子どもに残せる無形の財産だと感じています。
そばアレルギー当事者として伝えたいこと
私自身は子どものころから「クラスでひとりだけそばを食べられない子」でした。あの孤独感は今も忘れられません。だからこそ、いまアレルギーと向き合っているお子さんとご家族には、絶対に「ひとり」にならないでほしい。SNSでも、地域のサークルでも、病院の家族会でも、必ずどこかに仲間はいます。食物アレルギーは情報戦でもあります。新しい治療法、新しい商品、最新の研究――一人で追いかけるには情報が多すぎます。仲間と分担して情報をキャッチし、互いに共有することで、自分の家族を守る武器が増えます。
仲間づくりのために実践した5つの行動
- SNSで「#食物アレルギー」「#アレルギーっ子」などのタグで投稿・検索を継続。
- 地域の保健センターやNPOにアレルギー親の会を問い合わせる。
- 主治医に「他の患者さん家族との交流会があれば紹介してほしい」と相談。
- 子どもの保育園・学校で「同じ境遇の家族がいれば紹介してほしい」と先生に依頼。
- 自分発信で勉強会・ランチ会を開いてみる。意外と集まる。
FAQ:仲間づくりでよくある悩み
Q. SNSで実名を出すのが怖いです。
A. 匿名アカウントで十分です。最初は読み専でも構いません。気が合う人とだけDMで深く繋がる、という運用も多くの方がしています。
Q. 地域に親の会がない場合は?
A. オンラインの全国コミュニティが多数あります。Zoomでの月次ミーティングを開いている団体も。アレルギー学会・日本小児アレルギー学会のサイトに参考情報があります。
※本記事は当事者・家族目線でまとめたものであり、医療上の判断は必ずアレルギー専門医にご相談ください。
仲間と関わるときに気をつけている3つのこと
たくさんの方とつながって学んだ「居心地のよい関係を保つコツ」が3つあります。第一に「比較しない」。アレルギーの重症度・発症年齢・家族構成は十人十色。「うちはまだマシ」「うちのほうが大変」と比べ始めると、関係が苦しくなります。第二に「医療判断はそれぞれの主治医を信頼する」。「ネット情報を鵜呑みにして勝手に治療方針を変える」のは絶対に避けるべき行為。最後は「貢献の循環を意識する」。情報を受け取るだけでなく、自分が学んだことも惜しまずシェアし合うことで、コミュニティが豊かになります。
家族会・患者会のすすめ
SNSや地域サークルだけでなく、医療機関や患者団体が運営する「家族会」も心強い存在です。専門医が監修した情報が共有されたり、勉強会や講演会に参加できたりするため、医学的根拠ある知識が得られます。私も年に数回、地域の家族会に参加し、研究の最前線を知る機会としています。同じ境遇の家族と顔を合わせて話せる時間は、何ものにも代えがたい栄養になります。
長く続けるための「無理しない仲間運営」
地域サークルを月1回続けて見えてきたのが、無理なく長続きさせるコツです。第一に「役割は固定しない」。リーダーや会場手配、おやつ準備をローテーションすることで、特定の人に負担が集中しません。第二に「無理に大きくしない」。10〜15組くらいの規模が一番話しやすい。第三に「形式にこだわらない」。今月は児童館で集まり、来月はカフェで親だけランチ、再来月はオンラインで読書会、と気分次第で変化をつけることで、参加者も飽きません。長く続いている親の会ほど、こうした柔軟さが共通しています。
子ども同士のつながりが育む「自尊感情」
大人同士のネットワークが整ってくると、自然に子ども同士の交流も生まれます。同じアレルゲンを持つ子と公園で遊んだり、おやつを一緒に食べたりする時間は、子どもにとってかけがえのない経験です。「アレルギーは私だけじゃない」「困ったときは一緒に対処してくれる仲間がいる」という実感が、自尊感情を育てます。私の娘も、サークルで出会った同い年の女の子と仲良くなり、誕生日には同じ卵不使用ケーキを分け合うようになりました。アレルギーがあるからこそ得られる、特別な絆です。



▶ この記事を書いている人
allergy-food.com 運営者。私自身も幼少期に「そばアレルギー」と診断され、いまも当事者として食物アレルギーと付き合い続けています。本サイトでは、当事者・家族の双方の視点から、根拠のある情報と日々の工夫を発信しています。
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