📋 この記事で対応しているアレルゲン
✅ 主なアレルゲン:小麦―特定原材料・表示義務あり
⚠️ 混入リスクのある食品:パン・麺類・醤油・ソース・揚げ物の衣・スープのルーなど。外食・加工食品では特にご注意ください
※ 各商品・食材のパッケージを必ずご確認ください。
大人になってから「小麦アレルギー」と診断されてはや5年。営業職として外食や接待が多い私の生活は、診断を境に大きく変わりました。同僚との会食、出張先のホテルの朝食、海外旅行の機内食――どこにでも潜む小麦と向き合いながら、それでも仕事を続け、旅行も楽しめるようになるまでの道のりを、当事者の視点でお話します。
診断のきっかけ:突然のアナフィラキシー
あれは平日のランチでパスタを食べたあと。会社に戻る道で胸が苦しくなり、息ができなくなりました。同僚が救急車を呼んでくれて病院へ。診断は「成人発症の小麦アレルギーによるアナフィラキシー」でした。30歳を過ぎてから新たに食物アレルギーになることがあるなんて、それまで知りませんでした。後日のアレルギー検査でグルテン・ω-5グリアジンに陽性反応。「運動誘発型」のタイプで、小麦摂取後に運動するとアナフィラキシーが起きやすい体質だと判明しました。診断後はエピペン処方、原因食物の完全除去、食後2時間は安静にすることが処方されました。診察室を出た瞬間、これからの食生活と仕事のスタイルをすべて見直さなければならない現実が突きつけられ、しばらく頭が整理できませんでした。
仕事編:取引先・社内に「言いづらい」を乗り越える
営業マンにとって接待の場は重要な仕事の一部。最初の壁は「自分の体質を取引先にどう伝えるか」でした。「面倒くさい人と思われたくない」という気持ちもあり、しばらくは黙って会食をスキップしていた時期もあります。けれど無理して参加した接待で「うどん屋」に連れていかれ、必死で具だけ食べる…という経験をして、覚悟を決めました。社内全員に「小麦アレルギーで重症のアナフィラキシーが出るので、会食は和食・寿司・焼肉などを優先してほしい」とメールで共有。取引先には「アレルギー対応のお店リスト」を自分から提案するようにしたところ、むしろ「気が利く営業」と評価される副次効果まで得られました。
食事編:外食でつまずきやすいポイント
小麦は和食にも意外なほど潜んでいます。うどん・パン・パスタは分かりやすいとして、注意したいのが醤油・カレールー・天ぷら衣・ビール類・韓国料理の甜麺醤などです。伝統的な醸造醤油には小麦が原料に使われており、グルテンフリー醤油(たまり醤油など)に切り替えるか、原材料を確認する習慣が必須。カレールー・シチュールーもほぼすべて小麦使用。グルテンフリーの市販品が増えてはいますが、外食ではほぼ不可と思った方が安全です。天ぷら衣や唐揚げ衣は小麦粉中心。米粉対応店を探すのが安心です。麦焼酎・ビール・発泡酒は要確認、蒸留酒は問題ないことが多いですが念のため主治医に相談を。韓国料理のジャージャン麺は黒い甜麺醤も小麦由来のことが多いので注意してください。
旅行編:国内・海外で命綱になる「アレルギーカード」
旅行では多言語の「アレルギー伝達カード」が手放せません。私はそばアレルギー用に各国語のカードを持ち歩いていますが、小麦アレルギーの知人も同じものを英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語で用意しています。スマホとパスポートホルダーの両方に入れておくと、機内・ホテル・レストランどこでも提示できて安心です。機内食はANA・JAL・主要海外キャリアで「グルテンフリーミール」を24〜48時間前までに予約可能。私は出張前のメール送信を「電子チケット予約と同じくらい大事なルーティン」にしています。海外ホテルの朝食ビュッフェは、シェフに直接「グルテンフリー希望」と伝えると、別調理した目玉焼きやサラダを用意してくれることが多いです。
持ち歩いている「アレルギー対応バッグ」の中身
5年間の試行錯誤で行き着いた外出時の常備セットは、エピペン2本、抗ヒスタミン薬、多言語アレルギーカード、グルテンフリー携帯食、主治医連絡カードの5点。エピペンは1本では足りないケースを想定して必ず2本携帯し、直射日光と高温に注意。多言語カードは英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語の5種類用意。携帯食はグルテンフリーのプロテインバー、米粉のクッキー、ナッツなど即食べられるものを揃えています。主治医連絡カードには診断名・処方薬・救急時連絡先を1枚にまとめ、有事の際に他人でも対応できるように設計しています。
失敗談:海外出張で食べてしまった「醤油」
5年間で一番冷や汗をかいたのは、ニューヨーク出張中のすし店での出来事です。「Tamari soy sauce(たまり醤油)あります」と言われて安心して刺身に醤油をつけたところ、実際に出てきたのは普通の小麦入り醤油でした。10分後に違和感を感じ、エピペンとアドレナリン注射、救急搬送。幸い大事には至りませんでしたが、海外では「言葉だけで判断せず、必ずボトルの原材料を自分の目で確認する」を鉄則にしています。
5年経って気づいた「制限のなかにある自由」
診断直後は「もう普通の生活はできない」と落ち込みました。でも今振り返ると、食を選ぶ目が養われ、健康に対する意識も上がり、結果的に体調が良くなった面もあります。「制限」と「自由」は相反するものではなく、制限を上手にデザインすれば自由は広がる――そばアレルギー当事者の自分自身も、ずっとそう感じてきました。同じ小麦アレルギーの方、これから診断される方へ。一人で抱え込まず、医師・家族・職場・コミュニティとつながりながら、自分らしい食生活を一緒にデザインしていきましょう。
FAQ
Q. 小麦アレルギーは治ることはありますか?
A. 小児期発症は寛解することがありますが、成人発症はそのまま続くケースが多いとされています。必ず主治医にご確認を。
Q. グルテンフリーとアレルギー対応は同じですか?
A. 似ていますが厳密には別物です。グルテン不耐症と小麦アレルギーは原因が異なるため、購入前に表示を確認してください。
※本記事は当事者・家族目線でまとめたものであり、医療上の判断は必ずアレルギー専門医にご相談ください。
家族との食卓:妻が考案してくれた「分担調理」
診断後、家族みんなで取り組んでいるのが「分担調理」です。小麦を含むスパゲッティの夜は、私の分だけ米粉パスタを別鍋で茹でる。カレーの夜は、ルーを使うのは家族用、私の分はトマトベースで作る。最初は手間が増えると感じていましたが、慣れると2鍋同時進行が当たり前になりました。妻が「同じ食卓を囲むこと」を最優先で工夫してくれたおかげで、孤食や疎外感を感じずに済んでいます。
同じ立場の方へ:助けを求めることは弱さじゃない
大人になってから発症したアレルギーは、本人だけでなく周囲の人にも理解されにくいことがあります。「ちょっとくらいなら平気でしょ?」「気にしすぎじゃない?」と言われ、心が折れそうになる日もあります。けれどその違和感を放置せず、医師・家族・職場の信頼できる人に「これは命に関わるんだ」と何度でも伝えていきましょう。そばアレルギー当事者として40年以上を生きてきた私から見ても、「助けを求めることは弱さではなく、生きる力」です。本サイトでは、当事者・家族・支援者すべての方の役に立つ情報をこれからも届けていきます。



▶ この記事を書いている人
allergy-food.com 運営者。私自身も幼少期に「そばアレルギー」と診断され、いまも当事者として食物アレルギーと付き合い続けています。本サイトでは、当事者・家族の双方の視点から、根拠のある情報と日々の工夫を発信しています。
⚠️ ご利用にあたってのお願い
このブログは、食品アレルギーと向き合う当事者・保護者の経験をもとに情報をお届けしています。アレルギーの症状や体質には個人差があります。体験談の内容はあくまでも個人の経験であり、すべての方に当てはまるものではありません。
- 食品の購入・摂取前には、必ずパッケージの原材料表示をご確認ください
- アレルギー症状や除去食の変更については、必ずかかりつけの医師・管理栄養士にご相談ください
- 本記事の情報は執筆時点のものです。商品の仕様・販売状況は変更されることがあります
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